(本記事は2022年5月発行のメルマガ記事に
加筆・変更を加えたものです。)
2022年5月。
渋谷ヒカリエの東急シアターオーブで、
ブロードウェイミュージカル『RENT(レント)』の
25周年記念来日公演を鑑賞してきました。
勇気を出して、
前から8列目の
プレミアムチケットを取りました。
アメリカに観に行くのと比べたら…
格安です。
「シーズンズオブラブ」との出会い
『レント』の代表曲と言えば、
「シーズンズオブラブ」です。
タイトルは知らなくても
聴いたことがある方も多いかと。
★公式HPのYouTubeに
歌唱映像がありました。
エネルギーを感じてみてください♪
↓↓↓
「シーズンズオブラブ」との出会いは、
3年前のゴスペルサークルでの練習。
音域的になんとなく歌いやすくて
「ソロを歌ってみたいな」
と心の中で思ったのでした。
当時の女性ディレクターは、
わたしが口に出さなくとも、
「ハル、これソロやってみる?」
と、
わたしの心を読んでいるように
ドンピシャでやりたい曲のソロを
提案してくださる方でした。
大勢の前での立候補が
実は得意ではないわたしにとって、
とってもありがたい存在だったなぁ。
という訳で、
3年前から
「シーズンズオブラブ」は
一生の課題曲となったのです。
歌えば歌うほど
「もっとこうできないかな?あ~難しい」
が浮かんできて、
まさに一生の課題曲です。
沢山の人が一生の課題曲にしていそうな
一曲です。
でも、
そんな一曲に出会えて本当に幸せ。
3年前の『レント』の印象
3年前にソロを歌うことになり、
「作品全体を観ておかないとね」
と、
図書館でミュージカルのDVDを借りました。
当時は娘も1歳。
お昼寝の時間に自宅でDVDを鑑賞。
ざっくりした印象としては、
「なんか、辛い…」。
『レント』の舞台となるのは、
20世紀末のNY-イーストヴィレッジ。
貧困、夢と現実、孤独、エイズ、性、ドラッグ。
ほわほわな乳幼児育児真っ只中の当時のわたし。
ゴスペルサークルでの活動を除いて、
ドラマや映画、音楽、
観るもの、聴くもののほとんどが
子ども中心のものになっていました。
ということもあり、
「レント」の冒頭で醸し出される
荒廃した雰囲気が久々で、
正直びっくりしたんですよね。
だからこその
「シーズンズオブラブ」の美しく力強い旋律が
メッセージ性と共に浮かび上がるのかな。
コーラスの破壊力
今回生でミュージカルを観て、
やっぱり複数の人間の歌う
コーラスの破壊力を感じざるを得ませんでした。
全員で20人ほどのキャスト。
「シーズンズオブラブ」は
冒頭の「five hundred~」の2単語で
「う゛う゛っ」と嗚咽して涙が溢れました。
言葉よりも先に涙が出るって
本当に心が動かされたんだなと
後から気づきました。
ずっと追い求めてきた「シーズンズオブラブ」の
ひとつのかたち。
全キャストが同じメロディを歌うユニゾンは
想像以上に
柔らかくて優しくてあたたか~い響きでした。
その響きを全身で感じて嗚咽しましたね。
ひとりの声でも複数の周波数(倍音)が鳴っているけれど
それが重なると、
周波数が何重にもなって、
ひとりのエネルギーが
乗数になって届くような気がします。
だからわたしはコーラスが好きなんです。
別件ですが、
幸運にもバックバンドのベーシストが見える席で
萌えました(笑)
年齢と共に
作品から受け取るものが変わる
わたし自身は、
昨年の子宮頸がん疑惑で
自分の命と向き合ったことで、
作品中でエイズの病魔に怯える登場人物達との不安に
より感情移入できました。
あとは、
世間的には「え?」という
個性を持った登場人物達に勇気づけられる、
というか
生々しい生きる力をもらったというか。
(「浮気性なわたしを受け入れて!
さもなければ別れるだけ!」
←「えぇ?」みたいな)
当日購入したパンフレット。
帰宅してから
チビチビ読んでいるのですが、
出演者たちにどのフレーズが好きかをインタビューした特集で
知った一節がこちら。
このフレーズに感銘を受けた彼女は
タトゥーに刻んでいるそうな。
↓↓↓
“I can’t control my distiny.
I trust my soul,
my only goal is just to be…”
「わたしの運命はコントロールできないけれど、
わたしの魂を信じている。
たったひとつの望みは
ただ”わたし”であること…」
どんなことがあっても、
わたしの根っこにある魂を信じて
ただそのままの自分である。
それが最も尊いゴール。
響きます。また泣けます。
わたしもタトゥーに刻みたくなっちゃう。
(温泉好きだから刻まないけど。笑)
行きたいものには行こう
余談ですが、
幼稚園の娘をいつもより長く延長保育して
渋谷の街に出掛けました。
埼玉の自宅から電車で30分なのにも関わらず
結構ドキドキ。
「娘怒ってたらどうしよう?
寂しくないかな?」
なんていう不安をよそに、
当日は仲良しのお友達も延長保育をしていて
楽しく遊んでいたようでした。
平穏な日常を維持すべく、
「子どもがいるから止めておこう」
そんな発想になることはいくらでも。
でも、
本当に行きたいところには行ってみよう。
出掛けるのがいい、悪い、ではなく、
やりたいことにまず許可を出すのは
誰でもない自分なのだなぁと。
全身で受け取った響きは
わたしの肥やしとなってもならなくてもいいけれど
結果的になっていることでしょう。
次の日に、
「ていうかあの曲、
もっとこう歌ってみたいな~」
と、
レントに全く関係ない曲で
ぼうっと別のアイディアが生まれてきたりして。
化学反応って、
インプットの掛け合わせで
多分起こるものなんだろうなと
ぼうっと思っています。
ぼうっ。
今日もお読みいただき
ありがとうございました。
(★急いで撮った写真。なんのことやら感。
お迎えミッション付きはそれなりに多忙である。笑)